2.テヘラン市のようす

(1)学校のまわりのようす−ジョルダン地区−
  
ゴバディアン通り

 わたしたちのテヘラン日本人学校は、テヘラン市の北部のジョルダン地区にあります。ゴバディアン通りとミルダマード通りの両方に面しています。大きな工場などはなく、しずかな住たくがいが広がっています。
 アフリカ通り(通称ジョルダン通り)は、南北2kmで、左右には、花屋、ナン屋、かざり物の店、キャバブーレストラン、スーパーマーケットなどがずらりとならんでいます。また、ジョルダン地区は、高級住宅街と言われ、各国の大使館や高級マンションも数多くあります。

 イランの住たくがいは、メイダンのロータリーを作ったり、車がスピードを出さないように道路に小さなだんさを作ったりして、安全な生活ができるようにくふうされています。

 ジョルダン通りの左右には多くのクーチェ(小路)があり、庭にたくさんの木が植えてある大きな家やマンションなどがすきまなくならんでいます。道の両わきには、チェナールの木が植えられていて、通る人の心をなごませてくれます。夜は、街灯が道を明るくてらします。


ミルダマード通り

(2)市全体のようす

わたしたちの住むテヘラン市のようすをしらべましょう!

  イランの地図

 テヘラン市は、イランの北部の都市で、海ばつ(海からの高さ)がやく
1300メートルの高地にある市です。
市の北には4000メートル近くもある
エルブルーズ山みゃくがそびえていま
す。南のレイのまちでは、こんこんと
水がわき出ている『アリーの泉』があ
り、人々がのんびりとせんたくをして
いるすがたを見ることができます。
 テヘラン日本人学校のあるジョルダン
地区は、市のずっと北のほうにあります。
 テヘラン市のようすをもう少しくわしくしらべてみることにしましょう。

@店の多いにぎやかなところ−バザール地区−
 ジョルダン地区からずっと南、テヘラン市のほぼ中央あたりには『バザール』とよばれるとてもにぎやかな地区があります。『バザール』とは『市場』という意味です。「バザールにない物はない。」と言われるくらい、あらゆるしゅるいの品物が売られています。バザールの前の広い道路には車があふれ、バイクと人がその間をぬうようにして走っていきます。
 バザールの中は、せまい土の道がたくさんわかれてずっとおくまでつづいています。まるでクモのすのようです。道の両がわには、店がずらりとならんでいます。その数は、3500以上とも言われています。
 バザールにはたくさんのしゅるいの品物がそろっているので、いつも多くの人でにぎわっています。品物を売る人と買う人がおたがいに大声で話をしています。重い荷物をいっしょうけんめいに運んでいるおじさんもいます。中の道はせまくて車が入れないので、大きな通りまで荷物をリヤカーに乗せたり、せなかにせおったりして運んでいます。通りには屋根がついていて、雨の日でも安心して買い物ができるようになっています。
 また、バザールでは同じしゅるいの品物を売る店が、1つの所にかたまっています。ですから、人々はよい品物をえらんで買うことができるのです。
  バザールの近くにはテヘラン駅があります。カズビーンやコムからも鉄道で、このバザールに来ることができます。
A工場が集まっているところ
 テヘラン市の南西にあるメイダネ・アザディから、西のカラジに向かう高速道路にそってたくさんの工場があります。チョコレート、ビスケットをつくっているおかし工場、電気せい品を作っている工場などが見られます。中でも大きいのが、自動車組み立て工場です。マツダ、サイパなどの自動車を組み立てています。
 工場をたてるには広い土地がひつようです。部品の数の多い、大きな自動車などを組み立てる場合、とくに大きな工場がひつようです。このあたりは市のはずれで家が少なく、工場をたてるだけの広い土地がじゅうぶんにあります。また、できたせい品をトラックで運ぶのに、高速道路の近くはとてもべんりです。そのため、たくさんの工場が集まっているのです。

                  自動車工場に見学に行ったようす

B畑の多いところ −レイの町−

 テヘラン市の南のはずれにレイという町があります。レイはむかしからさばくの「オアシス」としてさかえたところです。レイには有名な『アリーの泉』という、地下水のわき出ている場所があります。このあたりはむかしから、水にめぐまれたところです。水は、動物や植物が育っていくためにはとても大切なものです。もちろん、野さいづくりにもかかせません。
 レイの町には、たくさんの畑があります。
 
やさいのとり入れ


サラダのとりいれをしている農家のおじさんに話を聞いてみました。

このサラダ菜畑は、40年ほど前に
 つくったものです。このあたりは、
 テヘランの北のほうにくらべると冬
でもあ たたかく、近くに川も流れていて、畑をつくるにはちょうどよ
い土地だったのです。
 今では、200メートルもの深さのあなをほり、地下水をポンプで
くみ上げています。水をいっぱいかけてやると、野さいもうれしそう
です。ひりょうをやったり、草取りなどの世話をして、りっぱな野さ
いがとれるようにどりょくしています。
 サラダ菜を植える前には、麦を植えていました。畑をむだなく使う
ようにしています。そのほかにも、トマト、ナス、トウモロコシ、オ
クラなどをつくっています。
 できた野さいは、シュシュ広場あたりの市場にトラックで運んでい
きます。直せつわたしのところに、野さいを買いにくるお客さんもい
ます。

C緑の多いところ −メラット公園−

 テヘランでは、自然に育った木や草花はほとんどありません。一年間にふる雨の量が少ないためです。しかし、道路のわきや公園など、おどろくほどたくさんの木や草花が育っています。
 バリアスル通りを北に上がったところにある緑におおわれたメラット公園をたずねてみましょう。
 公園の中は、のどかな鳥の声が聞こえてきます。水をたっぷりとたたえた池では、ふん水がいきおいよく上がっています。人々はのんびりと緑を楽しみながら公園を歩いています。

        メラット公園@

 緑は人の心をなごませ、やさしい気持ちにさせてくれます。さばくにかこまれてくらしているテヘランの人たちにとって緑はとても大切な心のオアシスです。

 この公園内にあるすべての木や花は、自然に芽を出し、育ったのではありません。人間が植え、水をやり、世話をして育てたものなのです。
 テヘランではこのような公園は町のあちこちに見られます。テヘランの人たちは、緑をあいする心のやさしい人たちです。

   メラット公園A          メラット公園B

D土ばくにかこまれたテヘラン

 日本の4倍以上の広さをもつイランでは、地いきによって気候がずいぶんちがいます。
 わたしたちの住むテヘランは雨が少なく、かんそうしています。そのため、植物が育たず、土はむきだしのじょうたいで、岩や石がごろごろしています。このような地域を『岩石さばく』といい、テヘランでは『土ばく』とよんでいます。テヘランは土ばくの上にできた町なのです。小さな土ばくの村だったテヘランに、人々は水を引き、緑を育ててきました。だんだんと人口もふえ、大きな町になっていったのです。今では、800万人以上もの人々が住む大都会となりました。テヘランは、人々のどりょくのすえ、できた町なのです。

テヘランのまわりにある土ばく