4.わたしたちのくらしと      ものをつくるしごと

テヘランでは、どこでどんなものをつくっているでしょう!
(1)ナンをやく
 イランの人たちは、ナンをたくさん食べます。食事時間の前になると、ナン屋の前には、人々の長い行列ができます。どの人もたくさんのナンを買って帰ります。イランの人たちにとって、ナンは主食となっているのです。
 どのようにして、ナンをつくっているのでしょうか。学校の近くにあるナン屋に見学に行きました。
〈ナン屋をたずねて〉

ナンをかうひとの行列

 ナン屋に近づくとナンをやくおいしそうなにおいがしてきました。店の中に入って行くと、次から次へとナンがやき上がっていました。中では5人の人があせを流しながら、いそがしくはたらいています。よく見てみると、ひとりひとりの仕事がちがっているようです。そこで、ナン屋のおじさんに仕事の内ようをたずねてみました。

  ナンのいろいろ (2005年の価格)

 タフトゥン;地面にほったかんたんなかまどでやかれます。この地面
       にほったかまどを「タフトゥン」とよぶことから名前が
       きています。(500R)
 ラバーシュ;2〜3mmのあつさで、やきたてはパリパリしたナンです。
(250R)
 サンギャク;ラバーシュよりやわらかく、あつさは1cmぐらいです。
(1000R)
 バルバリー;2cmくらいのあつさのナンで、わらじを大きくしたよう
       な形をしています。この名前は、今から100年くらい
       前にテヘランの南に住んでいた、カジャールの王の一族
       ベルベルからきています。(500R)

〈ナンができるまで〉

@小麦粉1に水6のわりあいでまぜ、とパンたねをくわえて、よくねります。ナンをやきはじめる2時間くらい前にハミールギール(ねる人)によってはじめられます。

Aナンをやく前になると、チューネギール(生地をちぎる人)は、こねばちから生地をちぎり取り、ひとかたまり大きさにまとめます。

Bワールダネカール(ナンをのばす人)は、大理石の台の上に切り分けられた生地をならべて、木のぼうを使って1cmほどのあつさにのばします。


Cシャードル(かまどに入れる人)は、生地をわたのつまった直径40〜50cmの大きさのクッションにのせ、クッション全体に生地をのばしてかまどのかべにくっつけるようにはりつけます。

D バルダス(かまどの人)は、ナーン
キン(先にかぎのついた木のぼう)でナン
が火に落ちる前に取り出します。

ナンを持って帰る人


ナン屋のおじさんの話
店の中は、火を使うのでたいへんなあつさ
です。夏は、あせがたきのように流れ落ち
ます。あせをふきながら仕事を続けます。
ナンをつくるのは、たいへんな仕事ですが
みんなによろこんでもらえると、とてもうれ
しいです。
朝の4時にパン粉をねるじゅんびをし、朝
8時までに1回目のナンをやきます。11時
から2回目のナンをやきはじめ1時に終わり
ます。そして、夕方は5時からはじめて8時
に終わります。1日3回ナンをやきます。1日およそ1500まいのナ
ンをやきます。できたてのナンは、あついのでやけどをしないように気を つけています。

(2)おかし工場

つくられているおかし
 メイダン・アザディーからカラジに向かう高速道路ぞいには、たくさんの工場が集まっています。その工場地たいの中に「ミノーおかし工場」はあります。
22ヘクタールの広いしき地に、チョコレート工場、ビスケット工場、ガム工場などがならんでたっています。  
 1959年に工場をはじめたときは、あめを作る小さな工場でしたが、だんだんしゅるいをふやし、今ではおかしだけでなく、薬や化しょう品、車の部品までつくっています。工場は大きく2つに分かれていて、それぞれの工場はトンネルでむすばれています。
 おかし工場    カカオ豆

〈チョコレート工場〉
 カカオのいいにおいがしています。チョコレートのおもな原りょうであるカカオ豆は、スリランカやアフリカのガーナからゆ入しています。工場の中はきかいがずらりとならんでいます。その中で白い服と白いぼうしをかぶったおじさんたちが作業をしています。
 チョコレートをつくるには、まずきかいでカカオ豆の皮をむき、それをくだいてこなにします。さとうやミルク、油、でんぷんなどをくわえてよくまぜます。それをねっすると、どろどろのチョコレートのできあがりです。

このどろどろのチョコレートは、鉄でできた型に流しこまれます。そのまま、ラインに乗って大型のれいぞうこの中を通りひやされます。ひやされてかたまったチョコレートは、型からはずされほうそう紙につつまれていきます。これらの作業はほとんどきかいでおこなわれます。
 次に、できあがったせい品を箱につめていきます。国内用とゆ出用とでは、箱はちがいます。アラブ諸国や西アジアの地方にゆ出されるそうです。箱づめされたチョコレートは、トラックにつまれて各地に出荷されていきます。

〈ビスケット工場〉
 チョコレート工場のとなりには、ビスケット工場があります。工場の前では、数人の男の人がトラックから何かふくろをおろしていました。イランでできた小麦粉のようです。
 工場の中は、あつい空気とあまいバニラエッセンスのかおりにつつまれています。
 トラックで運ばれてきた小麦粉を、じゅうそう、バニラエッセンス、さとうなどとまぜ、よくこねます。それをきかいで同じあつさになるようにのばし、型おしして形をつくります。
 次に、高温のガスレンジの中に入れ、200〜400度くらいでやきます。ビスケットのあつさや大きさによって、やき上げる温度がちがいます。やき上がったビスケットはけんさされて合かくしたものはふくろづめされ、さらに箱につめられて出荷されます。

〈はたらく人たち〉
 この工場では2400人もの人がはたらいていて、1日に130〜140トンのおかしをつくっています。工場は24時間動いていて、はたらいている人たちは3つのグループに分かれて交代で仕事をします。
 工場の中には、けがや病気をちりょうするしんりょう所、ビデオを見たり音楽をきいたりできるごらく室、レストランや図書館など、はたらく人たちのためのしせつがたくさんあります。


 工場のおじさんの話
この工場は、テヘラン市の大きな病院と
けいやくしているので、ここではたらいて
いる人は無料でその病院に入院したり、
  ちりょうを受けたりできます。また、しば
  ふの大きな運動場があるので、仕事が終わ
  るとそこでサッカーの練習もできます。
  今、バレーボールやテニスのできる大きな
  体育館をけんちく中です。完成するのがま
  ちどおしいですね。英語やコンピューター
 の勉強をしたい人のための研しゅう室もあります。
  おかしを作る仕事では、とくにえい生面に気をつかいます。でも、わ
たしたちの作ったおかしを子どもたちがおいしそうに食べているのを見
ると、がんばるぞとファイトがわきます。
(3)くだものを育てる

売られているくだもの

イランでは、いろいろなくだものがたくさんつくられています。
ジョルダンのくだもの屋を見てみると、夏のはじめにはサクランボ、夏のさかりにはメロン・スイカ、秋にはりんご・なし・ぶどう・みかんなどのくだものが出回ります。
夏の代表的なくだものとしては、「ヘンダワネ」とよばれるスイカがあります。味は日本のスイカとほとんど変わらず、安くておいしいので日本人の家庭でもよく食べられます。ただ、形はボールの形ではなくうりを大きくした形です。
 くだものが出回るようになると、たくさんのくだものがあちらこちらのくだもの屋できれいにならべられたり、ピラミッドの形のようにつみ上げられたりして売られています。また、道路のわきに店が出て売られているところもよくみかけます。
 これらのくだものは、どのようにしてつくられているのでしょう。

〈ゴラビ(洋なし)・りんご園をたずねて〉

 アンマメ村は、テヘランからバスで1時間半くらい(50km)のところにある村です。バスに乗って行くと、土ばくの中に緑の多いりんご園が見えてきました。
 農園に着くと、たくさんのゴラビやりんごの木が植えられていて、どの木にも大きな実がたわわに実っていました。
 先生のお話を聞いてから、みんな大よろこびでゴラビやりんごをとりはじめました。どの実を取ろうかと、上ばかり見て歩いていると、もり土につまずいてしまいました。木の下を見ると、それぞれの木のまわりは、みぞがほられたりもり土をされたりしています。ふしぎに思って、おじさんに聞いてみると、「木と木はみぞでつないでいます。高いところに植えてある木に水をあげると、水はみぞを流れて下のほうの木までいきます。1本1本に水をあげなくても、ぜんぶの木に水が行きわたるので、とてもべんりですよ。」と、教えてくれました。

 高いところになっている大きくておいしそうなりんごを見つけました。せのびしても、木によじ登っても取ることができませんでした。どうやって取ればいいかなあと考えていると、さっきのおじさんが、先のわれた長い竹のぼうをもってきて、あっという間に取ってくれました。おじさんは、りんごをわたしながら「高いところになっている実を取るときは、このぼうを使うんだよ。」と言いました。
 おじさんにお礼を言ったあと、時間がたつのもわすれてたくさんりんごを取りました。

〈おいしいゴラビをつくる〉
 おじさんに、おいしいゴラビをつくるために、ほかにどんなくふうや仕事をしているのか聞いてみました。
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おじさんの話 │
│ ゴラビの木が病気にかかったり │
│ 虫がくったりしないように年に3 │
│ 回しょうどくをします。ふんむき │
│ を使って1本1本の木にていねい │
│ に薬をかけていきます。 │
│   また、おいしい大きなゴラビが  │
│ 実るようにひりょうもあげます。 │
│ ひりょうには、らくだや牛などの │
│ ふんや落ち葉などでつくったゆう │
│ きひりょうと、化学ひりょうの2つがあります。 │
└───────────────────────────────────────────────────┘


 取れたゴラビは、同じ大きさのものに分けて、ひとつひとつていねいに木の箱につめていきます。
 木の箱につめられたゴラビは、トラックにつまれて、テヘランの市場に運ばれます。

(4)野さいを作る

テヘランでキュウリが1年中食べられるわけを考えてみましょう!
 イランの人たちはとてもキュウリが好きです。日本ではキュウリは「野さい」として食べたり、つけものにして食べたりしますが、イランの人たちは「くだもの」としてたくさん食べます。キュウリは1年中イランのどこに行っても食べることができます。このひみつを知っていますか?
 キュウリは夏の野菜です。暑くならないとおいしくなりません。日本では、春早くからなえを育て、4月中ごろから畑にうえます。5月中ごろから8月ごろまで取り入れます。       
 テヘランの近くでおいしい野菜を作っているところは、バラミン平野です。広い畑にトマト、キュウリだけではなく、ナス、トウモロコシなども作っています。            
 ここでは、水がきれいなので、おいしい野さいを作ることができるそうです。テヘランの夏はとても暑いですが、冬は雪が降るほど寒いです。こんな寒さでは冬にトマトやキュウリは作れません。テヘランから少し南にあるバラミン平野では春先にたくさんのビニルハウスがありますが、トマトやキュウリはまだできていません。

冬に八百屋で買うことができるトマトやキュウリはどこから運ばれてく るのか考えてみましょう!

 このひみつは、イランの国の大きさに関係があります。イラン湾では北と南で2000kmもはなれています。また、南の方はペルシャのすぐそばにあるので、テヘランより低いところです。そのためとても暑いのです。夏には50℃をこえることもあります。
 冬、テヘランで雪がふっていても南のアフワズ アフワズのビニルハウス
やバンダレアッバスでは15℃ほどの気温です。冬でもあたたかいのです。このあたたかい南の土地でビニルハウスを作り、そこで野さいを作っています。
                
 冬の間は南の方でとれたトマトやキュウリがテヘランまで運ばれてきます。
農家のおじさんはまだ少し青いトマトを取り入れて、トラックにつみこみます。トラックを運転するおじさんは1日かけてテヘランの野さい市場まで運びます。テヘランの野さい市場では、イランの国中でとれた野さいやくだものがあつまってきます。
 市場のおじさんたちは、お店のそうこにトマトやキュウリをおいしくなるまで入れておきます。おいしそうな色になるとそうこの前にならべて、八百屋のおじさんたちが買いにくるのをまちます。

                    市場のそうこの前に積み上げられた野さい

 トラックで市場に運ばれたトマト

農家で作られた野さいの動き